あひるのひとりごと

国指定の難病であるSLE(全身性エリテマトーデス)患者だけど、精一杯生きてます。大好きな植物さんのこと、ルーマニアの伝統楽器パンフルートのこと、夢の実現への足取りや、そのほか想うこと…書いています。

大きな麦の物語 その4「大麦を食卓に取り戻すために」

 大きな麦の物語、ブログの投稿はだいぶ空いてしまいましたが、フェイスブックでずっと生育の様子をお伝えしてきました。ずいぶん早めにキラリモチさんが収穫になるなあと思っていたところに、五月の中旬過ぎにもう梅雨入りというアクシデントで予定がつかず、雨に降られて一部の穂に黒くカビが生じた状態でのとり入れとなってしまいました。穂発芽や赤カビは生じていないのが幸いですが、脱穀はまだなので最終的な被害状況はわかりません。悔しいです。ユメサキボシはまだこれから収穫なので、雨のタイミングを見ながらキラリさんの二の舞いにならないよう注意して収穫出来たらと思います。

 

 さて、収穫した後の作業予定は、

脱粒・脱穀→穂から粒を外し、殻をむく。裸麦は皮麦に比べ容易。

風選・調整→殻と実を風力を使って振り分け、ゴミ等も取り除き子実のみにする。

貯蔵→袋詰めにし、保管できるようにする。

となりますが、最終的には「お腹に入るまで」のプロセスが目標になります。もちろん、そもそも、私の根っからの「資料探しグセ」に火をつけてしまったのは「麦芽水あめを作る」ことが発端だったのですが、ただ「水あめを作ってみた♪」程度の終わり方ではつまらないし、力不足。かといって「食卓に取り戻す」という点では、現在は押し麦や米粒麦などに加工品にするのが一般的ですが、一介の農家ではなかなか難しい。

 

 そこで現在自宅でも実現可能な一次加工を、

麦芽ないし水あめ(当初の目的)」

「丸のまま炒った後製粉する麦こがし」(製粉機がある)

「丸のまま炊いた後挽き割りにするひきわり麦」(味噌用の挽き機がある)

の三点に絞ってまず一つ一つ実践してみたいと思います。

 

 

 さらに、上記三点から麦が主体で作成できる料理(お菓子)を、集めたわずかな資料の中からではありますが、小麦の挽き割りなどの類似料理を含め考えてみました。

 

・はかりのいらないお菓子作りの本に出ていた「セモリナ麦の粉(パスタのもと)のプティング」。

 

・いつも出荷しているスーパーの隣のスーパー(何と二軒並んでる!)の輸入食材コーナーで見つけた、「キビ」というブラジル料理で使う全粒小麦(何小麦かは不明)を蒸したのち挽き割り乾燥したもの。ひき肉と混ぜて使う。そのルーツは中東。

 

・トルコではセモリナ麦全粒を粒のまま蒸したのち挽き割った「ブルグル(ブルガ―麦)」を使ったピラフなどがあること。↑のキビと同じ?

 

セルビアでは全粒小麦を使った「ジート」というセルビア正教の伝統菓子がある。同様のものが、ルーマニアギリシャポーランドなどで作られている。ただし、「葬式の時のケーキ」として食される地域も多い。

 

・トルコには、大洪水のあとノアが箱舟に残った41種類の食材で作ったとされる「アシュレ(別名ノアの箱舟プティング)」と呼ばれるものがあり、その材料の一つとして全粒小麦が使われている。イランのも同様のものがあり、イスラム教で殉教を悼む儀式のとき作る。

 

・戦後に発行された雑誌に出ていたという麦こがしを使った「麦ようかん」。

 

麦こがし・水あめ・黄な粉やゴマで作られた「げんこつあめ・もしくはゴボウあめ」。

 

・炒った小麦粉で作る「ポルボロン」を麦こがしで作る。

 

・最近の動画の中では、オーツ麦を粉末にしてパンやクッキーを作るのも人気。市販のオーツ麦はいわゆる押し麦と同じで蒸した後圧ぺんしてあるから火は通っている状態。麦こがしの加工法としては参考にはなりそう。

 

 

 では、これから再び人気が出てそれなりに地域に残る文化になりえる料理(お菓子)、すなわち「ここの名物」となりうるものは上記の内でどれか?

 

 うーん、パンやクッキーはありふれた感があるので、珍しい「ジート」か「ポルボロン」か、「麦ようかん」あたりかな。

 

ジートの甘みは本来はちみつだが水あめで。味が単純すぎ?あと持ち運べるのかな?仕上げに使う多量のクルミはどうする?落花生にアレンジ?

 

ポルボロンガリガリし過ぎない?地元のバターが使える。多量に焼くのは大変?豆腐の賽の目みたいに切るのはどうか。

 

・麦ようかんなら、さらに挽き割りも加えて食感もプラスしては?牛乳でミルクの風味を加えてもいいかな?さらにその周りに衣をつけて焼けば「麦きんつば」になるかな?そうすればもち運びにも便利。ただ色味がイマイチ?若い人より年配向け?

 

 よし!試作候補品目はこの三つにしよう。

 

 やるべきことが具体的になり、道筋が徐々にはっきりしてきました!モチベーションの維持にもなります。

 

 

 さて・・・でもまずはとにもかくにもキラリモチの脱穀です。脱穀方法のヒントがネットで見つかりました。これから、車用のフロアマットを探してきます。どのように使うかは、また次回ご報告したいと思います。

 

 それではまた。

「ゲーム音楽とパンの笛 その2」

 皆さんこんにちは。

 今回は、前回の顛末のその後などについて少し。

 

 前回の記事は、自身がやっているパンフルートという楽器に合う曲探しをしていて出会ったのが何と息子のやっているゲーム「モンスターハンター」のBGMだった・・・ということでしたが、その文中では『スタジオプレイヤーである奏者の方にも感謝感謝です。多分キーボードの打ち込み演奏ではなく生演奏での録音だと思うので。』と書きました。

 

 少し前のことですが、その演奏者の方が判明しました!

 

 カプコンの公式チャンネルで、楽器収録ダイジェスト映像が出ていて、その中にラッキーなことに何と演奏者の姿が入っていたのです。ちなみに、他の動画でゲーム自体のエンディングスタッフロール場面でもお名前を発見。

 

 結論から先に言うと、無名のスタジオプレイヤーなどではなかった・・・日本で現在、恐らく公式のパンフルート奏者といったら多分この方になると思う。

 

 それは、Eiken Iwata こと、岩田英憲(いわたひでのり)さん、その人、でした。

 

 どひゃーっ!!やるなカプコン!!恐れ入りました(どうりで曲聞いて耳がダンボになるわけだわ)。

 

 

 ゲーム音楽といえばドラゴンクエストすぎやまこういちさん以降、それまでどちらかといったらチープなイメージだったのが変わって来ました。前回も『ゲーム音楽と侮るなかれ、「モンハン」の音楽は完成度が高く、フルオーケストラでコンサートが開かれており、CDが出ているほどなのです。』と書きましたが、BGMでは各種民族楽器も合成音ではなく生でバンバン使うし、ゲーム自体にも、例えばプレイヤーの臨場感演出に足音一つにも細部にこだわり、ツボを実際に壊したり樽を転がして実際に録音したり、野外収録(まさしくサウンドハンティング!)でリアルを追及したと、サウンドメイキング映像を見て「本気度がすごい・・・」と感動を覚えました。

 

 しっかり作られているから、美しい。なるほど。

 

 私はゲームプレイは一切していませんが、中毒的にその世界にはまり込む気持ちが少しわかったような気がします。

 

 

 それと、BGMを聞き続けて気が付いたこと。ゲームのBGMは基本同じフレーズをエンドレスで繋げているのですが、聞き続けても「飽きがこない」ことが凄い、と。

 

 例えば、皆さんがいくら好きな「アメージンググレイス」や「世界にひとつだけの花」でも魚屋の店頭で一時流れていた「お魚天国」でもなんでも、ずーっと聞き続けていると飽きて来ると思います。それはギターのインストゥルメンタルでもピアノのジャズでもボサノヴァでも同じこと

 

 ところが、ゲーム中流れ続けるBGMは飽きがこない。というより、「飽きてしまうと困るから飽きないようにメロディーを組んでいる」・・・だからエンドレスが可能。おそらく。

 

 なるほど。これはすごい!

 

 またゲームにもよりますが、概して明るい物や高揚感があるものが多いのもいい点です。それは小学生や中学校の合唱曲の、希望溢れた明るい鉄板曲のそれに似ているのかもしれません。コロナ渦の中、「あつ森」に人気が集まった(まさしくその世界に『集まった』)のも、ほのぼのとしたBGMや世界観にも要因があったのでしょうね。気持ちを軽く明るくしてくれますから。

 

 これからは曲探しの中にゲームBGMも要注目と悟った次第です。

 

 

 というわけで・・・。

 

 最近はカフェ風ジャズでもゆったりボサノヴァでもなく、モンハンのBGMばっかり聞いています。完全にBGMにはまってしまいました。にゃんにゃん♪

 

 そうそう、「風の集まる場所」の譜面起こしも、歌詞付けもぼちぼち、継続中です。

 

 二回にわたってゲーム音楽に終始してしまいましたが、次回は別の話題にしますね。

 

 ではまた。

「ゲーム音楽とパンの笛」

※まず、「パンフルート」という楽器って何?っていう方は私のホームページの記事へドーゾ

 http://puretown2.g2.xrea.com/sub5.htm

 

 

 パンフルートの曲選びはいつも突然です。

 

 そもそも、マイナーな楽器というのは単独の楽曲自体が少ない。立派なマイナー楽器であるパンフルートもご多分に漏れず、楽曲探しには苦労します。稀にCMやBGMに楽器が使われることもありますが、味付け程度というのが多いです。そのため、大概はPOPSの歌詞をカラオケ的になぞるか、ピアノや弦楽器のメロディーをなぞるかすることとなります。が、いいなぁと思う楽曲でも、いざ吹いてみると単なる「カラオケに合わせて吹いてるだけ」感がしてつまらなかったり、「あ、こりゃダメだ。難しすぎ」とかも日常茶飯事です。なので常に『楽曲募集中』の看板を掲げアンテナを張って、ピン!ときた曲はすかさずメモしています。

 

 この間ピンと来たのは、何と、息子が夢中になっているゲーム「モンハン(モンスターハンター)」の一場面のテーマ曲。ゲーム音楽と侮るなかれ、「モンハン」の音楽は完成度が高く、フルオーケストラでコンサートが開かれており、CDが出ているほどなのです。

 

 その曲はめずらしくパンフルートがメインで使われ(音色に一瞬で耳がダンボになった)、それと弦楽器、打楽器という組み合わせ。曲自体はすごく短いのですがその場所にとどまっている限りエンドレスで流れるので気になってしまい、息子に「この曲なあに?」と聞いたらユーチューブ先生の中から引っ張り出してくれました。パンフルートは音楽家の中でも風をイメージさせる楽器として使うことが多いようですが、この曲もご多分に漏れず「ベルナ村の集会所のテーマ『風の集まる場所』」という題名でした。

 

 さっそく一時間エンドレスにアレンジしたものを聞き込み、覚え込み開始。キーボートで音を探し、ひたすらメロディーを口ずさみながら感覚で覚えていきます。楽器を持っての吹き込みも開始しつつ、そうこうしているうちに「これは詩もつけてみようかな」なんて思えてきて、正確に文字を当てはめるにはとなると譜面があった方がいい、と欲が出てきました。

 

 主要曲ではないので譜面の販売がなく、十数年ぶりに音楽作成ソフト「シンガーソングライター3.0」をじいじ譲りのパソコンにインストし(パソコンもソフトも再び生かせる日が来た!・・・涙)、採譜に挑戦。が、譜面を読むのも苦手なのに書くという別次元の難しさに悶絶。右耳にはパソコンの、左耳にはキーボードのイヤホンをねじり込み、よなよなオタマジャクシと格闘。この曲は途中で八分の十二拍子に拍子が変わるのですが、四分の四拍子のまま、ただ「テンポが変わる」ものだと当初勘違いしていて・・・どうりでPCが再生してくれる曲が違ったものになるワケです(誰か音楽に詳しい人、身近にいないかなぁ)。

 

 こうしてようやく仮完成した楽譜を印刷したら、今度は何と、五線譜や旗は印刷されるのに肝心の「玉」が印刷されず、楽譜として読めない!!というトラブル発生(涙)。ということで最終的に詩を付けて形になるのはもうちょっと先になりそうです。頑張りまーす。でも、勉強になったし、楽しい。

 

 今回は曲探しにとどまらず、楽典の再勉強をちょこっとしたり、詩を付けてみたくなったりといろいろ発展がありました。いい曲というのはなかなか無いので、カプコンと元カプコンの作曲者裏谷玲央さんに感謝です。あと、スタジオプレイヤーである奏者の方にも感謝感謝です。多分キーボードの打ち込み演奏ではなく生演奏での録音だと思うので。

 

 パンフルートの演奏、趣味的にやって来ましたが、やはり皆さんに演奏を聴いて頂きたい気持ちもずっと心の奥底にあって、練習時間があまりなくて演奏の腕はちっとも上がらないけど、いつか地域でマイナー楽器音楽仲間を集めて演奏をしてみたいと思っています。特に音楽知識がある音大出身の仲間がいたらなあ。一緒にやるのが夢です。声を掛けてください。お待ちしています。では。

 

 

 余談ですが、このベルナ村の設定そのものも良く(ファン曰く「このゲームの世界で住むならベルナ村!」とのこと)、村のテーマ曲『風と草原の彩る村』も〈山の麓の高原の谷、酪農が主な産業であるが近くではお米も獲れる緑豊かな場所。交通手段は飛行船〉という、風景を彷彿とさせるようで大好きになりました。ただこちらの曲はパンフルートには合わないのだけど、詩だけはつけてみたいなぁ。

 

 ん?しかしこの設定、ここって、なんか私の隣の集落の感じに似てる?

 酪農盆地だし、

 風は常に吹いてるし、

 お米も麦も獲れるし、

 飛行船はないけどパラグライダー飛んでるし。

 ただし、盆地内に宿泊施設はないんだよね。だけど山越えれば熱海だし(←こちらは「ユクモ村」かな?)。モンハンの世界観と音楽にしばらくハマりそうです(笑)。

「BGMの効用」

 皆さんこんにちは。片頭痛持ちのYama-hitujiです(泣)。

 

 唐突ですが、皆さんの家の中の雰囲気って普段どんな感じですか?

 

 何となく賑やかという家もあれば、常にバタバタしている家、シーンと静まり返っている家もあれば、穏やかで温かい家もあるでしょう。

 うちは何だかキンキンしているというか、どこか落ち着かない家、という感じです。

 人がいる時はテレビが常に中心で、いつも何となくかかっているし、会話といっても常にだれかの批判や文句に終始していたり、はてはただ単にお笑い番組で笑っていたり。「悪口や批判ばかりしている人からは離れなさい」というのが運を良くするコツだとか、自律神経を整える秘訣とか言われている昨今、家中にそれが充満しているのはあまりいい状況ではない。かといってそれを同居家族にやめてくれとは言えないし、ただこのままサブリミナル的に聞き続けるのも嫌だなと~どうしたものか?とずっと考えてきました。実家にいた頃は一日中ラジオが家に流れていましたが、今の山の家では電波が悪いのでそれも出来ないし...。

 

 で、どうしたか?

 

 スマホに変えてから一年ほどはそれで音楽を聴くということもなかったのですが、一昨年の年末ごろからでしょうか、ふと、「あ、スマホでいろんな曲を検索して聞けばいいんだ」と気付いて聞くことにしたのです。

 最初は好きな曲を繰り返し聞いていたのですが、段々飽きてきました。また、歌詞付きの曲やなじみの曲は、聞きながら行う作業に少なからず影響を与えてしまします。そこで最近は喫茶店などで使われるスローのジャズやボサノヴァのBGMをランダムに聞くようになりました。風呂掃除のときにかけたり(この湿気にやられたのか一代目のスマホが正月明けにダウン)、料理を作りながらかけたりイヤホンで聞いたりとひたすら聞いています。持ち運びも出来て好都合。

 これで何となく入って来る耳障りな言葉もシャットアウト!もともと喫茶店などのBGMは隣のテーブルの会話などをお互いマスキングする目的もあるものでしょうから、効果は抜群です。何となくイライラすることが減ってSLEにもいい効果ありかも??

 

 ちなみに、いわゆる環境音楽や自然音楽、自律神経に効くとか、何とかヘルツが良いだの、癒しの音楽だのと言う「特別な音楽」も試してみましたが、日常のシーンで聞くべき音楽ではないのだなぁと感じました。ヨガや瞑想をするときや、いわゆるサロンなどで流れるのにはいいのでしょうが、日常の中では雑踏のような「人の息づかい」が感じられることが、いちばん、安心できるのだと思います。明るめのジャズやボサノヴァなら、嫌いな人は少ないでしょうし、他人がいる中でも流れていても違和感がないのがいいです。

 

 自分の今いる環境を変えたいなぁとお思いの皆さん。まず、音楽を変えてみることをお勧めします。アロマで癒しを得る人もいますが、敏感だったり好き嫌いが激しい人もいるので、イヤホンで閉鎖的に楽しめる音楽の方が、個人個人お互い迷惑かけないのでいいですよ。

 

 それでは、また。

 

〈SLE体験談 続きその2〉

 皆さんこんにちは。ほぼ一年越しの体験談の更新となりましたが、お変わりはないでしょうか?

 

 まずは近況の報告について。

 現在の服薬は退院からちょうど3年目の1月19日の検診後よりプレドニゾロンが4ミリになりました。通常、健康な状態での副腎皮質ホルモンの分泌量が5ミリだとなじみの看護婦さんに教えてもらったので、自分の副腎さんに生産再開(?)してもらうことになります。ホルモンの血中濃度が多いと自動的に作るのをやめ、少なくなると再開するという人間の身体ってうまくできてますね。

 貧血の兆候があったので、昨年から鉄剤が1日1錠、現在は2日に1錠の処方されています。以降貯蔵鉄の様子を見て3日に1錠になる予定。プラケニル、セルセプト、サムチレール、ランソプラゾール、プログラフの量は変わらず。週に一回のベンリスタの自己注射は継続中。あと月1のリカルボン酸も同じ。

 

 体調としては、全身の疼き感は感じなくなりました。特に太ももあたりが何かジジジ・・・と痺れるような感覚が時折りあったのですが、気づけば無くなっていました。これは一生残る特徴かもと思っていたのですが、嬉しい限りです。唯一、顔面特に頬の辺りの疼きは時たま感じます。

 疲れがたまると撃沈するのは変わらずですが、一つ気付いたことがあります。元来、頭痛持ちではなかったのですが、どうもSLEになってからは片頭痛が多いということ。

 

 SLEの症状の一つとして「ループス頭痛」というのもあるそうですが、発病してからだいぶたっているし、第一ほかの症状が軽快していく中逆に増えてきたものなので、当てはまらないと考える方が自然です。特徴としては、大体月イチぐらいで強弱はあるものの、それも生理が来る前日あたりから調子が悪くなる傾向のように感じています。

 

 昨年末には片頭痛ならぬ両頭痛で食欲は全くなくなりウンウンうなされながら数日を過ごしました。熱は無かったのですが、一回だけ吐き気が襲ってきて戻したりと散々。頭痛薬はカロナールアセトアミノフェン系の解熱鎮痛剤。SLEに影響がないとされる)が頓服薬として処方されているのですが、食欲がないとなるとあまり無下に服用するのもまずいとこの時は飲まずにガマン。というより、以前飲んだ時に量が少なかったのかあまり効かず、それ以来試してみていないというのが正直なところ。

 

 また、10日ほど前の生理が始まった日からもやはり頭痛で数日をしんどく過ごしました。そろそろ更年期もあることだし、その影響かも?とゴロゴロしつつちょっと調べてみました。すると、SLEならではの実情が絡んでるのでは?と思い至りました。

 

 まずこの話の前提として知っておいていただきたいのですが、SLEでは、通常日光への暴露を減らすように指導されます。紫外線を浴びることにより体内でサイトカイン(炎症物質。昨今のコロナでサイトカインストームという言葉が有名になりましたが、犯人がコレ)が生成され病状に悪影響を及ぼしかねないからです。

 

 一方、生理が起こる仕組みとしてエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が絡んでくるのですが、エストロゲンはSLEを増悪させる可能性があり、生理が始まるとその分泌量が減るため症状が軽くなり、後期に分泌量が増えると重くなるそうです。

 

 あれ?私の場合は逆?

 

 そう、本来なら生理中はSLEの症状が軽くなり調子が良くなるはずなのですが・・・ではこの頭痛はSLEではなく生理そのものから来てる?そう睨んでさらに調べてみました。

 私はもともと生理痛やその類の諸症状は特に感じたことはない(ただ妊娠中のつわりは酷かった)のですが、人によっては生理時に頭痛に悩まされる方も多いようですね。その原因の一つとして、『エストロゲンの急減に伴ってセロトニン(血管を収縮させる作用がある脳内神経伝達物質)も減少するため、脳内血管が拡張し頭痛が起こりやすい』ことが挙げられていました。この頭痛は通常の片頭痛よりも長く続き、強い痛みとなって現れる、とも。

 

 ひょっとして、これでは?

 ではそのセロトニンを増やすには?

 

 『午前中に30分程度日光浴をしたり強い光を目から取り入れること』

 

 ありゃ。

 つまり、最初にお話ししたように、SLEのなってから心がけてきた「紫外線をなるべく浴びない」生活そのものが頭痛を増やす要因になっているのかもしれない、と思い至ったわけです。夏場はそれでも日が長いので何とかなっていたものの、冬場になって日が短くなるとなおさらその影響が強く表れて来て、昨年末のような状態に陥ったのかもしれない、と一応結論づけました。

 

 これからは午前中に強い光を目から取り入れることを心がけて変化を見てみたいと思います。

 

 

 本当はSLEのヒドロキシクロロキン(プラケニル)やリウマチのアクテムラなどの薬とコロナの関係などを突っ込んでみたいと思ったのですが、本日はこれにて。

 

 それではまた。

大きな麦の物語 その3「大麦栽培スタート」

 家に麦がやって来た!

 

 

 まず、注文した令和元年度産「キラリモチ」一キロが家にやって来ました。保存していた六条裸もちの種子(在来の品種もしくは「ダイシモチ」だと思う)と大きさを比べてみると…明らかに大きい。何だかワクワクしました。でもそれだけ地力が必要なのかな、収穫も遅いのかな?など心配もあり、「大麦・育て方」でネットで調べても、具体的な例が出てこない!動画もほとんど機械播きのものばかり、しまいにはウサギや猫用の画像しか出てこない始末(苦笑)。

 なので、里芋収穫後の90センチ畝に2条溝切2センチ程度、種子の播種間隔1~1.5センチ、覆土2センチ、今年の畝の長さは5メートルで種子量は100gあまり、という感じで11月3日文化の日に播いてみました。前日は雨が降ったので、程よい水分量だったと思います。最後に足で鎮圧。

 

 続いて、令和二年度産「ユメサキボシ」一キロが契約完了し、やっと家にやって来ました。第一印象はやっぱり「大きい!」。キラリモチとどっこいどっこいといったところですが、若干こちらの方が上かも。キラリモチに遅れること19日後、11月22日に違う圃場へ同じように播種しました。時期としては少々遅くなってしまいましたが、何とか梅雨前までに収穫できるように育ってくれるよう願うばかりです。

 

 〈補足〉 後日「10センチ間隔で数粒蒔く」という説明したサイトや本を発見。厚蒔きだったかな…?

 

 

 大麦よ復活なれ

 

 

 古来より大切にされてきた五穀といえば「米・麦・アワ・ヒエ・豆」ですが、こと栽培や料理法に関する情報はというと、それぞれかなりの温度差があるなぁという感は否めません。

 

 米はそれこそいくらでも栽培法に関する本は巷にあふれているし、料理法は言うまでもありません。

 アワやヒエも、雑穀ブームに乗って栽培マニュアルも料理も現在はそこそこあります。ブームになる前は鳥の餌扱いでしたが、雑穀米のおにぎりも今やコンビニで買える時代となりました。

 豆といえば大豆もしくは小豆ですが、大規模栽培はプロに任せるとして、料理といったらキリがないほどあります。ちょっとジャンルが違いますが、若どりの大豆はご存知の通り枝豆のことです。

 そして麦ですが、小麦はの方はこと料理に関しては米をしのぐ勢いですし、大産地で近年どんどん品種改良が進み、栽培技術も向上して生産量が増えているようで、パンやうどんなどが大手メーカーの商品でも国産小麦を使ったものがぐんと増えました。町のパン屋でも新規開店するところはたいてい「国産小麦使用」ののぼり旗を上げています。また、グルテンフリーの波に乗って、古代の原種麦も復活の兆しがあります。

 

 …ところが、そこからスコーン!とこぼれ落ちているのが、大麦。

 

 まず、栽培に関する一般書が、ない。

 

 もちろん、プロ向けの栽培マニュアルもネット上にあるにはあるのですが、「一反当たり何キロ種子を蒔け」と言われても、アマにはわからないわけです。知りたいのは「じゃあ、種子と種子の間は何センチ離せばいいの?」ということですから。なので大麦そのものの生態がわかる一般書が必要を探したのですが、「雑穀の育て方」や「野菜の育て方」の中には記載がないか、あったとしてもほんの数ページ割いているだけで、ましてや小麦は載っていても大麦はない。自給系農家や有機農家向けの本でも、「大麦?あぁ、緑肥に使ったりマルチ麦には使うけど、あれって適当にバラまいておけばいいんでしょ?」ぐらいの取り上げ方。載っている利用法もせいぜい自家製麦茶程度にとどまっているが故、食用として積極的に作付けする人は少なく(もっとせめて裸麦の「むぎこがし」が自給系農家の間に広まって欲しいものだと思うのですが)小麦の汎用性にはなかなか勝てないのが現状です。

 

 そこでようやく見つけたのが「ムギの絵本」(農文協2010年版)というもの。児童書ではありますがそれ故わかりやすく、著者が麦の育種の先生だけあってなかなか詳しく書かれています。

 また「小麦一トンどり」(農文協2017年刊行)には最新の栽培法が書かれていて、大麦にも応用できそうです。幼苗を踏む「麦踏み」は知っていましたが、茎がが立って来てから行う「麦なで」は初めて知りました。

 そして、ユメサキボシの育種チーム責任者の方が手掛けた貴重な大麦と小麦の栽培マニュアル本「ムギの高品質多収技術」(農文協2013年刊行)。まえがきには「久しぶりに刊行される麦の一般的な栽培書になる」との文言が。今回資料を探してみて、アマの個人的な印象ではなく、業界の方々が自認するくらい大麦は一番置いてきぼりだったんだなあ、と思いました。その他には今、図書館でリクエストしている本が数冊ありますが、それらは皆書庫に入っているような昔の本ばかり。これから農業を志す人に向けた本が新刊されることを望みます。

 

 ただ、これらの本を慌てて探したのは実はキラリモチを播いてからのこと。きっちり勉強してから播けよ!とツッコまれそうですが…完全に泥縄ですね。

 

 さて、料理法についてですが、これまた大麦の情報が少ない。

 

 むろん、麦焼酎や麦みそ、各種ブレンド茶に欠かせないベースとしての麦茶やもちろん、ビールやウイスキーの「原料」としては無くてはならないのですが、昔からの「伝統的な民族料理」というと山梨の「おばく」や静岡の「とろろめし」ぐらいしか有名なものはないのです。近年「βグルカンが健康にいい。やせる」ともち麦ブームに火が着いたところでもち麦ないし大麦の「新作料理」の本は出されていますが…。

 

 それは何故か?

 江戸時代の農村部の食事は、白米のご飯より「ひきわり麦」や「えまし麦」といういわゆるぼそぼその麦飯がむしろ「主食」。そのため大麦の消費量はそれこそ多かったはずなのですが、美味しさよりも生きるために必死だった時代であり、「料理」として発展しにくかった…と私は推測します。「おばく」や「ととろめし」さえ恐らく贅沢な食事だったのだと思うのです。ちなみに、現在の麦ごはんに使われる「押し麦」が開発されたのは大正に入ってから、「米粒麦」はさらにその後のこと。

 貧しい農村部の食事の象徴のような存在だったため「麦飯=貧乏人」というイメージがありますが、これは日本にとどまらず海外でも同じで、大麦の方が普及は早かったのにも関わらず、のちに進出してきた使い勝手のいい小麦に食用としての地位が奪われ、貧しい人の主食や酒造原料、飼料としての存在に代わっていっています。料理法もスープやお粥、ピラフなど限られており、やはり名物と呼べるものは数少ない。

 

 ただ、麦芽モルト)はフランスパンの製造上に欠かせない素材の一つとなっています。そうそう、甘いものの少ない時代、日本では麦芽水あめは貴重な甘味料として尊重していました。海外でも例えば、アルセーヌ・ルパンの物語に「大麦糖のキャンディ」というのが出てきます。あと有名なのが麦芽飲料の「ミロ」ですかね。

 

 大麦利用の番外編としては、健康飲料として「大麦若葉の青汁」、そして食用以外で重要視されたのが牛馬の飼料としての存在です。おっと、麦わらのストローや麦わら帽子に使われているのも大麦だそうです。

 

 つまり、小麦のような華やかさ、稲のような神聖視はされないけど、じいーっと人類の生活を足元で支えてきたのが大麦なんですね。

 

 これからだぞ!大麦!!がんばれーっ!!!

 

 それではまた。

大きな麦の物語 その2「大麦を育てよう」

 手に入らない幻の麦

 

 

 そもそも、私は麦芽はもちろん水あめを作ったことがありません。

 そこでまず試しとして、手元にある六条皮麦シュンライと六条裸麦のもち麦麦芽を作り、水あめは出来ないか?とネットでいろいろ調べ始めたところ、工程に一つの疑問が湧いてきました。水あめの大体の作り方はこうです。「麦芽を粗挽きにして炊いた粥に混ぜ、一定の温度を保ち糖化させ、それを『絞って』得た液体を煮詰めて水あめを作る」。つまり、搾りかすは捨ててしまうのです。唯一、搾りかすをそのまま活用するのが出ていたのが福島・会津地方のレシピ。そこでは麦芽をさらしの袋に入れて液をとり、それで糖化してお米の粕を食用にしていました。ただここでも麦芽そのものは捨ててしまう。恐らく理由は「皮麦を用いて皮ごと砕いてあるから」。

 うーん、もったいない。そう感じてしまったのです。ならば、と考えました。

 裸麦で麦芽を作ればいい。

 通常、麦芽は皮がはがれにくい「皮麦」で作ります。ビールの場合はその皮がろ過をするときにろ過材として働くため、ついてないと都合が悪いのだそう。一方、食用として愛されて来たむぎこがしは、関西では「裸麦」のうるち種で作り、炒ったのをそのまま挽いて粉にしてきました(関東では皮麦で作るため炒ったあと皮を取り除きます)。いわばお米で言えば玄米をまるごと炒って粉にして食べるのと同じで栄養価が高い。麦芽を含んだまま粕が二次利用できるし(どんなものが出来るかわからんけど…笑)、うるち種ならむぎこがしにも使える。これならと考えました。

 そこで、良さそうな裸麦の品種を探し始めたのですが、その前に、ここでちょっと大麦の種類の説明を。

 

 大麦は、実の付き方により三種類に分けられます。

 大きく分けて穂の全列につく「六条」、二列につく「二条」、四列につく「四条」の三つです。

 四条はあまり作られていないようですが、「六条」は小粒で収量が多く(別名小粒大麦)、「二条」は大粒で粒ぞろいが良い(別名ビール麦)という特徴があります。

 それらはまたそれぞれ、子実から皮がはがれにくい「皮麦」とはがれやすい「裸麦」に分かれ、さらに性質として「うるち」と「もち」に分かれます。

 

 麦茶や押し麦にはおもに「六条・皮麦・うるち」の品種。

 麦みそやむぎこがし用として愛されて来たのが「六条・裸・うるち」の品種。

 俗にビール麦と呼ばれるのが「二条・皮麦・うるち」の品種。

 最近注目を浴びている「もち麦」とは、主に「六条・裸もしくは皮麦・もち」の品種のことです。また近年、大粒の「二条・裸もしくは皮麦・もち」の品種も開発されて、人気が出てきています。

 

 さて、ここでクイズでーす!この上の文中で出てきていない品種は何でしょうか?

 

 ハイ、答えは「二条・裸・うるち」の品種です。

 私は「地場で育てられている大粒なビール用麦と同じ二条種で、皮のついていない裸種のうるち」ということでこの品種はないか探してみました。そしたら…ありました!

 

 「ユメサキボシ」。国産初の二条裸麦(うるち)の品種。2008年育成、とあります。

 これなら、麦芽にも、むぎこがしにも両方いける!

 私は小躍りしました。早速ネットでどこか販売していないか?と探しました。

 

 が…ない!

 何と市販されていないようなのです。

 

 私は途方に暮れ、その育成元である「農研機構」の広報に恐る恐る電話をしてみました。

 すると、今度は直接の育成チームの方へ連絡を入れてみてくださいとのこと。そこで、電話をすると、生産地である佐賀か愛媛の農協に問い合わせてみてください、それでも難しいようでしたら、広報を通じてこちらに契約を取る形で種子をお分けしますので、広報の担当者に連絡を入れてくださいね、とのこと。

 

 細い糸を辿るようにしてまず佐賀の農協に電話。すると、現在では農協からの頒布は終了しており、各農家での自家採種のみとのこと。ガックリして愛媛の農協に電話をすると、農協に経済連から買い戻す形でお分けが出来るが30キロ単位(!!)とのこと。さすがにということで、農協から納めている業者さんなら小量でも可能では?と紹介してもらい、業者さんに電話。そしたら「今、去年の物が香川の坂出の倉庫に入っとる。でも需要がないもんでねぇ、今年のもそれが無くなり次第引き取る手筈なんだが…」とか何とか。事情を聞いてみると、今まで使っていた六条より粒が大きいが故に、それを加工するふるいの目やら機械の調整やらをしなくてはならず、それを嫌ってか加工業者の需要が伸びなかったようなのです。栽培も今年で終わりになる予定らしいとか…。さすがに一キロばかりを取りに違う県の倉庫にまで取りに行って発送してもらうことも出来ず、この話もアウト。

 

 で、結局最初の農研機構に電話を入れ、契約を結び種子を分けてもらうことが出来ました。その手続きにかかった時間は三週間余り。ネットで海外の珍しいものが簡単に手に入るご時世、わずかばかりの種子を手に入れるのにこんなにてこずったのは初めてでした。

 

 今年は試作ということで、この「ユメサキボシ」とその後継品種でもち性である「キラリモチ(こちらは一般で販売がありましたが、むしろ人気があり過ぎて今年度産は品切れ。なので昨年度産の種子を入手)の二品種を別々の畑で育ててみることにしました。

 果たして、ここで根付いてくれるかどうか。大きな実が実ってくれるか。梅雨前に収穫できるか。そしておいしい水あめが出来るか。そしてその先へ…。

 たかが水あめですが、何だか「夏子の酒」のモデルとなった新潟・久須美酒造の「亀の尾(麦のように長い『のげ』の生えている昔の稲の品種)」の栽培から始まった酒造りみたいになってきました。

 未知数だらけですが、目指すは十年後!

 「田代の水あめおばさん」と呼ばれるのも悪くないなと、2020年秋、こうして大麦栽培から水あめづくりのスタートを切りました。

 

 大きな麦の物語 その3「大麦栽培スタート」へ続きます。