あひるのひとりごと

国指定の難病であるSLE(全身性エリテマトーデス)患者だけど、精一杯生きてます。大好きな植物さんのこと、ルーマニアの伝統楽器パンフルートのこと、夢の実現への足取りや、そのほか想うこと…書いています。

大きな麦の物語 その4「大麦を食卓に取り戻すために」

 大きな麦の物語、ブログの投稿はだいぶ空いてしまいましたが、フェイスブックでずっと生育の様子をお伝えしてきました。ずいぶん早めにキラリモチさんが収穫になるなあと思っていたところに、五月の中旬過ぎにもう梅雨入りというアクシデントで予定がつかず、雨に降られて一部の穂に黒くカビが生じた状態でのとり入れとなってしまいました。穂発芽や赤カビは生じていないのが幸いですが、脱穀はまだなので最終的な被害状況はわかりません。悔しいです。ユメサキボシはまだこれから収穫なので、雨のタイミングを見ながらキラリさんの二の舞いにならないよう注意して収穫出来たらと思います。

 

 さて、収穫した後の作業予定は、

脱粒・脱穀→穂から粒を外し、殻をむく。裸麦は皮麦に比べ容易。

風選・調整→殻と実を風力を使って振り分け、ゴミ等も取り除き子実のみにする。

貯蔵→袋詰めにし、保管できるようにする。

となりますが、最終的には「お腹に入るまで」のプロセスが目標になります。もちろん、そもそも、私の根っからの「資料探しグセ」に火をつけてしまったのは「麦芽水あめを作る」ことが発端だったのですが、ただ「水あめを作ってみた♪」程度の終わり方ではつまらないし、力不足。かといって「食卓に取り戻す」という点では、現在は押し麦や米粒麦などに加工品にするのが一般的ですが、一介の農家ではなかなか難しい。

 

 そこで現在自宅でも実現可能な一次加工を、

麦芽ないし水あめ(当初の目的)」

「丸のまま炒った後製粉する麦こがし」(製粉機がある)

「丸のまま炊いた後挽き割りにするひきわり麦」(味噌用の挽き機がある)

の三点に絞ってまず一つ一つ実践してみたいと思います。

 

 

 さらに、上記三点から麦が主体で作成できる料理(お菓子)を、集めたわずかな資料の中からではありますが、小麦の挽き割りなどの類似料理を含め考えてみました。

 

・はかりのいらないお菓子作りの本に出ていた「セモリナ麦の粉(パスタのもと)のプティング」。

 

・いつも出荷しているスーパーの隣のスーパー(何と二軒並んでる!)の輸入食材コーナーで見つけた、「キビ」というブラジル料理で使う全粒小麦(何小麦かは不明)を蒸したのち挽き割り乾燥したもの。ひき肉と混ぜて使う。そのルーツは中東。

 

・トルコではセモリナ麦全粒を粒のまま蒸したのち挽き割った「ブルグル(ブルガ―麦)」を使ったピラフなどがあること。↑のキビと同じ?

 

セルビアでは全粒小麦を使った「ジート」というセルビア正教の伝統菓子がある。同様のものが、ルーマニアギリシャポーランドなどで作られている。ただし、「葬式の時のケーキ」として食される地域も多い。

 

・トルコには、大洪水のあとノアが箱舟に残った41種類の食材で作ったとされる「アシュレ(別名ノアの箱舟プティング)」と呼ばれるものがあり、その材料の一つとして全粒小麦が使われている。イランのも同様のものがあり、イスラム教で殉教を悼む儀式のとき作る。

 

・戦後に発行された雑誌に出ていたという麦こがしを使った「麦ようかん」。

 

麦こがし・水あめ・黄な粉やゴマで作られた「げんこつあめ・もしくはゴボウあめ」。

 

・炒った小麦粉で作る「ポルボロン」を麦こがしで作る。

 

・最近の動画の中では、オーツ麦を粉末にしてパンやクッキーを作るのも人気。市販のオーツ麦はいわゆる押し麦と同じで蒸した後圧ぺんしてあるから火は通っている状態。麦こがしの加工法としては参考にはなりそう。

 

 

 では、これから再び人気が出てそれなりに地域に残る文化になりえる料理(お菓子)、すなわち「ここの名物」となりうるものは上記の内でどれか?

 

 うーん、パンやクッキーはありふれた感があるので、珍しい「ジート」か「ポルボロン」か、「麦ようかん」あたりかな。

 

ジートの甘みは本来はちみつだが水あめで。味が単純すぎ?あと持ち運べるのかな?仕上げに使う多量のクルミはどうする?落花生にアレンジ?

 

ポルボロンガリガリし過ぎない?地元のバターが使える。多量に焼くのは大変?豆腐の賽の目みたいに切るのはどうか。

 

・麦ようかんなら、さらに挽き割りも加えて食感もプラスしては?牛乳でミルクの風味を加えてもいいかな?さらにその周りに衣をつけて焼けば「麦きんつば」になるかな?そうすればもち運びにも便利。ただ色味がイマイチ?若い人より年配向け?

 

 よし!試作候補品目はこの三つにしよう。

 

 やるべきことが具体的になり、道筋が徐々にはっきりしてきました!モチベーションの維持にもなります。

 

 

 さて・・・でもまずはとにもかくにもキラリモチの脱穀です。脱穀方法のヒントがネットで見つかりました。これから、車用のフロアマットを探してきます。どのように使うかは、また次回ご報告したいと思います。

 

 それではまた。