〈SLE体験談その6〉

 あっという間に大寒も過ぎて、退院してから1年が経ちました。皆さん、風邪ひいていませんか~?私は風邪ひき厳禁なので、毎日戦々恐々としています。

 体験談の続きを。
 熱も下がり体が楽になって来ると、やはり少しずつでも歩く練習をして筋力を付けなくちゃ!と思いました。なんせ1月の初めは満足に立つことも出来ないくらい足の筋肉はガリガリの状態で、一人ではトイレにさえ行けません。行き帰り運転手(もちろん看護婦さんのこと)付き車椅子なんて贅沢!などと自慢してる場合…ではありませんでした(笑)。

 そこでまずは、ベットの柵につかまって立つところから開始。最初はほんの数分経つと限界で、ベットにゴロ~ンしていましたが、やがてソロソロとベットの柵伝いにそばの窓際に行き、つかまりながらゆっくり屈伸したり片足ずつ上げたり。膝の上げ下げが何と何と重いこと!!「自分の足を上げるのに、こんなに筋力要るんだっけ!?」と驚きながら、徐々に時間を伸ばしていきました。万が一にも転倒しては一大事(看護婦さんらの責任問題にもなるため)なので、それだけは十分注意を払いながら筋力トレーニングをコツコツ続けていき、やがて看護婦さんに手を取って支えられながら「シャル・ウイ・ダンス♪」状態でトイレに行けるようになりました。

 その後、歩行器を使いましたが、程なく卒業(使いづらかった)。歯磨きするのにゆっくりと洗面所に歩きつつ廊下の手すりで屈伸運動、廊下の翌日の献立を見ながら(笑)片足上げストレッチなど、体調をみながら、徐々に体力を付けて行きました。年配の方などはリハ室まで行って歩行訓練等をしていましたが、私の場合は自力で歩行できるようになっていったので、カリキュラムは組まれなかったようです。

 一日のスケジュールは、午前中は比較的眠気があったりだるさが強いのでゆっくりして、昼食後から夕食までの間で入浴などの時間を除いた数時間が主に筋力トレーニングタイム。やがて同じ階の廊下を行ったり来たり出来るようになり、看護婦さんに確認してもらって院内フリー(病院内の移動は自由)の状態だと知るや否や、今度は近くの階段での歩行訓練を始めました。まだ少しガクガクする膝とすぐ息切れする呼吸でしたが、ゆっくりと屋上階まで行って外の空気を吸い込んだ時は嬉しくてほっとしたものでした。屋上階の小さなスロープを行ったり来たり、小さな段差に足をかけてストレッチしたり、真冬でしたが外に出て直射日光に当たらないように気を付けながら、小さな階段で踏み台昇降したりいろいろしました。

 また外来も終わり人気が少なくなった時間を見計らって、下の院内コンビニにもよっこらよっこら階段を上り下りしながら、足しげく通いました。外の世界の情報に生で唯一触れられる場所で、ひたすら立ち読みで情報収集したり、商品の陳列を見ながら流行を感じたり、ありがたかったです。その時エンドレスで流れていたユーミンの「アニバーサリー」が、なぜか強く印象に残っています。

 そんなこんなで、筋肉の完全な回復にはまだ至らないものの日常の歩行には差し支えないくらいになったころ、薬と症状の安定もあり、めでたく退院の日取りが決まりました。

 その前後のお話はまた後日。ではまた。