あひるのひとりごと

国指定の難病であるSLE(全身性エリテマトーデス)患者だけど、精一杯生きてます。大好きな植物さんのこと、ルーマニアの伝統楽器パンフルートのこと、夢の実現への足取りや、そのほか想うこと…書いています。

〈SLE体験談 その14〉

 皆さんこんにちは。久々の体験談です。

 先日、池江選手、一時退院して元気そうな姿を見せてくれました。精神的にもとても良かったと思います。病状は一進一退かもしれませんが、感染症に気を付けながら、ゆっくりと歩いていって欲しいなと思います。

 

 さてさて、SLEの話。

 

 先日、図書館でおや?と思う本に出合いました。

題して「免疫の反逆ー自己免疫疾患はなぜ急増しているかー」(ドナ・ジャクソン・ナカザワ著 石山鈴子訳 ダイヤモンド社 2012年3月刊)。パラパラめくってみると、「ループス」との文字。そう、SLEの「L」のことです。

 早速借りて帰り、じっくり読んでみました。やや専門書的な部分もありますが、ある程度医学的知識を身に着けていましたので、内容的にはかなり理解できたと思います。

 

 内容をざっくり話しますと、ジャーナリストであるこの著者自身もギランバレー症候群という自己免疫疾患の罹患者であり、罹患をきっかけとして自己免疫疾患が急増の一途をたどっていること、その原因が現代の社会構造そのものに起因しているらしいことを掴んでいきます。その要因は大きく分けて二つ。

 

 名付けて、発がん性物質ならぬ「自己免疫誘発物質」。

 

 いわゆる環境ホルモンとして有名になったダイオキシンやPCBなどの化学物質による自己免疫システムへの絶え間ない「攻撃」と「活性化」。

 水銀や鉛などの重金属によるたんぱく質の変化と免疫システムの「撹乱」。

 

 それぞれ個人発病までのの許容量には格差があり、その限界量を超えると発病するらしい…というところは、花粉症やCS(化学物質過敏症)と同じです。また、本書内では水俣病イタイイタイ病の様に、有害廃棄物に高度に汚染された地区でループス(SLE)が集団発生(!!!)し、5年もの抗議活動の末産廃の撤去作業が行われた事例が取り上げられています。しかも厄介なのが、こうした問題が起こっているのが経済的に恵まれないマイノリティ社会であること…。

 

 その二つに加えて実際の発病の「きっかけ」・トリガー(誘因)となるのが、EBウイルスやワクチン接種や過度のストレスというごくありふれた些細な事柄。

 

 こうしてみると、本当に、自己免疫疾患が風邪と同じく「誰もがいつかかってもおかしくない」病気となっていることに、正直、驚きました。SLEの集団発生が実際に起こっているなんて考えもつかない事で、読みながら思わず、うなってしまいました。

 

 締めくくりは、では、どうしたらいいのか?ということですが、まずは化学物質に頼らないライフスタイル・加工食品に頼らない食生活に移行すべきだと著者はのべています。 あまりにもありきたりな答えではありますが、正直、それ以外に選択肢はもう人類にはないのだろうと私も思います。自然界に分散している重金属は分解・回収不可能(現時点の科学では)ですし、いくら完全無農薬・自然栽培・高エネルギー食品だとしても地球上の1ミクロンの砂粒まで全てが汚染されつくされているから、どんなにセレブがこだわっていてもクリーンなものなど手に入らないのです。がんと同じように、誰がかかってもおかしくない。 

 

 まずはその事実を知ること。それしかないんでしょうね。

 

 むろん、この本の内容すべてが真実であると鵜呑みにする必要は無いし、かといってすべてデタラメであるとも言い切れない、一面の真理を含んでいる本だと私は思っています。もしご興味のある方がいましたらご一読くださいませ。

 

 

 私がSLEに一足早く(?)罹ったのは、まるで、オ・チャル(群れの警告者、という意味。上橋菜穂子精霊の守り人」シリーズから引用)なんですかね…?。自然な農業をしたくて農業者になったら、SC(化学物質過敏症)になってしまったという方がいらっしゃいますが、私の場合、私の母が強皮症(膠原病の一種。自己免疫疾患)であり、自然な食事をなるべくとって育ち、自然食や自然農業諸々の知識がもともと通常より持ち合わせていた本人がこうして罹患したというのは、何か意味あることだと思わざるをえません。

 

 といっても、大それたことは出来ないので、せいぜいポチポチとブログでも書いてるしか今は出来ないのですが。

 

 本日はこの辺で。では、また。