〈SLE体験談 その12〉

 こんにちは~皆さんお元気ですか?
私の場合ですが、♪きょうは元気、いま元気、だけど明日はわからない~♪
…書いてるこの瞬間はほどほど元気だと思ってください。

 

 今回は私の飲んでいる薬と治療についての思いを書いてみたいと思います。

 現在服用中の薬は7種類プラス1種(皮下注射)、それと血漿交換です。

プレドニゾロン錠5ミリ2錠(副腎皮質ホルモン、いわゆるステロイド剤)
セルセプトカプセル250 4錠(臓器移植にも使う免疫抑制剤
プログラフカプセル1ミリ3錠(これも免疫抑制剤、活性化Tリンパ球に作用)
プラケニル200ミリ奇数日1錠偶数日2錠(もとはマラリアの薬)
ランソプラゾールOD錠15ミリ1錠(胃酸の出過ぎを防ぎピロリ菌除菌作用も)
サムチレール内容混濁液15%5ml 2包(エイズの方も服用する肺炎予防薬)
リカルボン錠50ミリ月に1回(ステロイドの副作用である骨粗鬆症の予防薬)

ベンリスタ皮下注200mlオートインジェクター週1回(高額な抗体製剤です)

二重ろ過血漿交換療法(DFPP)3週間に1回(血液中の抗体を取り除く)

以上!

…と言われても「何のこっちゃ?」という感じですよね。
私もそう思います(笑)。

 今回この文章をまとめるにあたって、免疫のことから体の仕組みから薬のことから色々調べまくりました。高校講座生物基礎とかウィキペディアとか。ハッキリ言って頭パンクしました(泣)。ので、詳しくはここで書きません。書く気になればある程度はまとめられるけど、皆さんの頭もパンクしますから。きっと。

 でも大事なのは、ざっくりでもいいから、それらを知ろうという努力をすることだと思います。担当医の先生は幸いとても良い先生ですが、信用しないという意味ではなく、先生任せにすることなく、患者本人も病気そのものを冷静に見つめ、向き合うということ。パソコンやスマホで簡単に情報が得られる現在という時に罹患したのは、とても幸運だったと思います。20年ほど前、膠原病についての資料は図書館や書店で得られる数冊の本しかありませんでした。…実は私の実母も膠原病の一種、シェーグレン症候群と強皮症の罹患者です。

 膠原病をはじめとする自己免疫疾患は難病に指定されている通り、メカニズムが難解な病気です。リンパ球のT細胞が、B細胞が…と相互に影響し合い、インフルの様に「ウイルス殺せばハイ終わり」という具合にはいきません。それでもステロイド剤のおかげで生存率は上がり、現段階で解明されたメカニズムを応用した抗体製剤と呼ばれる治療薬も徐々に増えてきています。それらはあくまで対処療法の域をまだ出せんが、いつか人間の体の仕組みがもっと解明され、ドミノスイッチの居場所をつき止められる日が来ることを信じています。病気と言うものの存在も、ひょっとしたら、人間が人間と言うものをより深く知るための起爆剤、課題として、あるのかもしれません。全ての人が健康だったら、探求欲も湧かなかったかも…私も含めて。人類そのものの発展に寄与できる体になったのだと考えれば、病気になったことに逆に感謝の念さえ湧いてくるのです。

 難病ということで、自然療法が良いという話も聞きます。実際、実母が病気持ちだった関係上、自然療法の知識も人よりは知っているつもりです。が、実際に自分が難病になってみると、結局は自分の身体に合わせておいしいと感じる物を口にするのが一番かなと思いました。いくら体に良いとされるものでも、どうしても口に合わない物をいやいや食べるより、どんなに変な取り合わせでも、食べたいな!という欲求に素直に従う方が精神的にも落ち着き、良い日々を送ることが出来るからです。自律神経学的にも理にかないます。
また、こんなこともあります。
入院中、ちょうど放送していたNHKの人体シリーズ、「免疫」の回だったでしょうか、「骨髄で生まれた免疫細胞が教育される場所(パイエル板)が腸には存在する」ということをやっていて、ハタと思い至ったことがありました。自然療法の考え方の一つに「千島学説」と言うものがあります。これは全ての血液細胞が骨髄ではなく小腸で作られるという考えで、近代医学と真っ向から対決するものでした。調べてみると学説が発表されたのが1932年から1959年、パイエル板の役割が解明され始めたのが1970年代以降。現在ではさらに詳しく解明されているはずです。近代療法がいいか、自然療法がいいか喧嘩している間にも、実際の体の中では、骨髄で生まれた細胞たちが腸で教育されせっせとと働いていたわけで、結果的には骨髄も腸もどちらも必要で正しかった…という結論のようです。何ともお粗末な。なので、私はあくまで近代医学も自然療法も、否定も肯定もしません。
近代医学が進歩し、かつ自然療法がうまく利用される日が来ることを願ってやみません。

 長くなりましたが、最後に先日発表されたニュースを一つ。朝日新聞デジタル版に「市販液体のり白血病治療の救世主に?専門家驚嘆」との記事。これまで培養が難しかった造血幹細胞(赤血球や白血球の親)が、何とコンビニでも売ってるアラビックヤマトなどの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)で大量培養できることを発見したそうで、骨髄に住んでる細胞さん、実はこんなものがお好きなの!?かと…いやはやほんとわけわからんです。人間の体と言うものは。

それではまた。次回はいよいよ最終回!(…たぶん。)