〈SLE体験談その11〉

 池江選手、先日久しぶりに本人のコメントが出ましたね。白血病の詳細は触れられてはいませんでしたが、治療は順調とのことでひとまずほっとしました。

 前回からの続きで、SLEになったことつまり「変わったこと」によって退院後「変えたこと」について。


 自分を大事にする
もとより、SLEになったことの後悔は全くという程なく、冷静でした。ただやはり難病であるのは変わりませんから、その「意味」を考える時間も多くなります。
SLEは、自分の免疫細胞が自分の細胞(正確にはDNA)を攻撃する抗体を作ってしまう病気です。自分の身体が自分の身体を傷つける…自分が自分を攻める…何ともパラドックスですよね。
なら、せめて。
自分(の心)で自分の心を責めるのはいやだ、やめよう、と思いました。もっと自分を大事にしよう。我慢するのをやめて、自分の人生を大事に生きよう。
「私は私を生きる!」
これは「ME TOO!」現象に象徴されるように「社会に屈せずに自分を大事にしようよ!」という声を上げ始めた現代社会全般に拡がっている意識でもあるとは思うのですが、とにかくSLEを含めた「自分」という人生を大事にとことん味わい抜いて生きてやる!と決意しました。

それに加えて、追い打ちというか、決定的に感じた出来事が入院中にありました。
じっくり見るいい機会だと主人にまだ読んでいないある誕生日占いの本を持って来てもらい、何気なく試してみたのです。それだと私の両親と息子の3人が「青」、舅姑と主人の3人が「オレンジ」、そして私はなんとたった一人「赤」という衝撃的結果が…。
こりゃ~周りと意見が合うはずがないわ、と、ものすご~く合点がいき、それ以来「私は私、もう我慢しないっ!私は私を生きるゾ!」と強く思ったのでありました。

 服の色の見直し
自分を大事にするということで、まずやったのが服の見直し。
入院中、主人に頼んで着替えを持って来てもらいましたが、改めて見るとどうにも情けないものばかり。自宅に帰ってからも紫外線避けに長袖が必要だと洋服を見回してみても、どうにもくたびれた&くすんだ色ばかり。
ふり返って考えてみれば、自分は茶色が似合っているとばかりにナチュラルではあるけどくすんだ色味の物ばかり選び、買い物するのも農作業が忙しいのでシーズン外に行くしかなく、自分に似合うものというより取りあえずサイズがあって着られればいいという状態の積み重ねの日々。
自分がトコトンみじめにおもえて…(涙)。これからはもっと自分の身なりも大事にしよう!と。
短い人生どうせ着るなら明るい服を!と通販でいろいろ買いました。家族には収入が減って大変なのに、と嫌がられましたが、先の誕生日占いの色の事もあるし、高くなくてもいいからせめて自分に似合う色を身に着けて輝きたいと強く思いました。
一年経った今、段ボール箱収納から10年越しで卒業し(嬉泣)、新たに買ったプラ製の洋服ダンスには明るめの色が増えてきました。気持ちも明るくなりました。
ちなみに、参考にしたのは通院治療(2時間かかる血漿交換)中に見はじめたヒルナンデス!の「格安コーデバトル」。といっても、万単位の価格設定はとてもかなわないけど…。

 部屋の整頓
これは先の「変わったこと」でも触れましたが、帰宅してしばらくやった作業は部屋の掃除と整理。おかげで、3階と1階の納戸は大分すっきり(まだ足りないけど)しました。
が、問題は自分たちの部屋。
模様替えと掃除と今まで手付かずだった整理をいっぺんにやらざるを得なくなったため、今だ道半ば。おまけに子供の卒業&入学の整理整頓も重なり、それらの作業もあって、ここ最近ようやくまた自分の整理が再開できたというところです。まあ、焦らずコツコツぼちぼちやります。
参考にしているのが、ボックス収納法とこんまりさん、メンタリストのダイゴさんらの特集がのった雑誌の特集記事です。これも「私は私を生きる!」の一つの形でもあり過去の自分の興味を持っていたものに向き合う作業は大変ですが楽しい事でもあります。しかし新たに興味関心が出てきたことの資料も増えて、なかなか部屋はすっきりといった状態にはならないのが悩みの種です。資料好きな性格は名前(博物館、の博が付いてる)からしてこれはきっと治りようがないなあ…。

 次回は私の薬や治療についての思いについて書いてみたいと思います。
 それではまた~。