あひるのひとりごと

国指定の難病であるSLE(全身性エリテマトーデス)患者だけど、精一杯生きてます。大好きな植物さんのこと、ルーマニアの伝統楽器パンフルートのこと、夢の実現への足取りや、そのほか想うこと…書いています。

「いとぐるま」カテゴリーテーマの由来

 このテーマ、実は昔、自然食品店に勤めていた時発行していた、印刷物の中のコラム名に使っていたものです。

 この言葉にはいろいろな解釈を含んでいます。

 

 いと=神様の見えない「意図」の中で人は生きている として。

 

 天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)にして漏(も)らさず、縦糸と横糸で布も網も出来ています。人は誰しもが一本の糸。美しいタペストリーは一本抜けても成り立たない。

 

 いとぐるま(チャルカ)=自分の手で生活を「紡ぎ出す」象徴 として。

 

 インド独立の父マハトマ・ガンディーさんのチャルカを回す姿は有名ですね。私もぶら下げ式のコマタイプの道具で和綿から糸つむぎに挑戦したことがあるのですが、今だうまくできません。実は編み物も大の苦手で、どうも性に合わないみたい。せいぜい、手縫いかミシンでちょこちょこするのが関の山で、出来る方がうらやましい…。

 

 

 このテーマでは、私が思う人生の機微や生き方、社会に対しての考えなどを主に書いてみたいなーと思います。他のテーマとかぶることもありますが、そこはご勘弁を。

 

「正義のヒーローはもういらない。」

 先日、国連の環境会議でスピーチした方のことが話題になっています。その方の行動に影響された方々のデモの参加人数も、回を追うごとに増えているようです。賛否両論、社会では取りざたされていますが、私は、ちょっとその動向に違和感を感じています。今回は若者たちへの今の私なりの言葉を書き連ねてみたいと思います。

 

 その方は言いました。世界に向けて。

 

 あなたたちには失望した。

 しかし若者たちはあなたたちの裏切り行為に気付き始めている。

 全ての未来世代の目はあなたたちに注がれている。

 私たちを失望させる選択をすれば、決して許さない。

 あなたたちを逃がさない。まさに今、ここに私たちは一線を引く。

 世界は目を覚ましつつある。変化が訪れようとしている。

 あなたたちが好むと好まざるとにかかわらず。

 

(翻訳引用:東京新聞)

 

 それに応えて、ムーブメントと化していくデモの姿…未来を恐れて子供産まない宣言をする若者たち。

 

 この方のスピーチと言葉遣いに、私が感じたのは、昔は私もこんなことを想っていたなあ、幼かったなあ、ということ。うちの主人しかり。私も大人たちが嫌いになったし、肉食しなかった時期があるし、主人は高校時代環境問題と未来について心配し過ぎで拒食症&うつになったし。少し遡れば、かつての大学闘争や、環境問題や消費者運動反戦運動、ヒッピーも似た空気が。あれから数十年、世界は変わった部分もあり、変わってない部分もあり。かつての若者が大人になり、今度は次世代の若者に刃を突き詰められています。まったくもって、「若者文化の歴史は繰り返す」状態と感じます。

 

 

 ただ、今回私が感じたことはもう一つありまして…。

 

 

 この映像を見た時私の脳裏をよぎったのは、かのISの指導者が先日のビデオメッセージで「同志たちよ、行動を起こせ、ジハードを始めよ」といっていた姿。それがそっくり重なり、心底空恐ろしい感情をこのスピーチに感じたのです。まるで、自分たち〈環境正義の若者たち〉と〈経済正義の大人たち〉は「別の存在である」と『隔離』し、〈若者たち〉が、〈大人たち〉に対して宣戦布告しているかのよう。また、後日アメリカで実際に彼女は「戦い続ける」という言葉を口にしたところをみると、それを意として行っているのでしょう。

 

 

 でもそれって、何かおかしい…。

 

 

 経済格差や宗教差別などの「人と人との隔離感」こそが全ての戦争の原因であり、「自然と人間との隔離感」が温暖化をはじめとする環境問題を生んでいるというのに、彼女のスピーチや行動では、逆にそれをあおっている結果に思えたのです。

 

 一歩間違えれば、本当に暴動を引き起こしかねません。

 

 彼らのことを環境正義という人たちがいます。でもよく考えてみてください。正義を振りかざす「傲慢な心」こそ、突き詰めれば真の温暖化の犯人なのでは?と思うのです。元々こんなに人間と自然との間に隔離感がなければ、人間は自然に対して敬意を払い、大切に付き合ってきたはずだから。

 

 

 彼女にはヒーローや指導者にはなって欲しくない。また若者たちにはヒーローの真似事をするだけの人になって欲しくはありません。そう心から思います。

 

 

 あの頃の自分にかけてやりたい言葉を、メッセージとして贈ります。

 

 

 「滅びるかもしれないのに、学校に行く意味などない。デモという行動を起こそう」。そう焦る気持ちはわかるしデモを完全否定するわけではないけど、デモをしても、現実的な未来はすぐには変わらない。その時間があったら図書館で、たくさんの言葉に触れて欲しい。不安に負けないために。本当に変えなければならないのは、こころ。心が変わらなければ、表面的な変化はあっても問題はぶり返す。

 

 人は不安な時、ヒーローという虚像をを求める。だけどヒーローの崇拝や真似事は偏見や差別や戦争を産む。さらに悪いことに、人はヒーローに勝手に期待を寄せといて、現実がそれについて行かないと、今度はそれを攻撃し始める。世界の政権を見てごらん。そんなことをもう何十年もやっている。「将来苦しみたくない。悪いのは大人たちだ。自分たちを苦しめでいるのは大人たちだ。」と心に壁を築き、かつてはヒーローだった大人たちの過去をなじり現状を嘆いても、それは何も生まない。大人や他人の行動に怒りを燃やす時間は、それこそ残されてはいないよ。転換点はまだ先だと信じているみたいだけど、残酷なことに30年以上前に過ぎてしまったと私は思う。まずそれを認識すること。そして、本当に未来を変えたいのなら、全てを学ぶこと。大人の想いも。そして他者を攻めず許すことを学ぶことだと思う。

 

 あと数年後には社会を担う年齢なら、これからの社会をどんなふうに作りたいのか、その時どうしていたいのか、今、それをまず、一人一人が考え、決めること。考え続ける事こそ大事だと気付くこと。一人一人が救世主。大人も含めてね。時間が大事だと思うなら、ビジョンを作る時間に費やして欲しい。そのビジョンに向かって一歩ずつ向かうことが、真に温暖化にあがらう道であり、未来へ続く道しるべになるのだと思う。

 

 それから、子供を産まないことが本当に正しい?一見立ち向かっているようでいて、現実からの逃避でしかない。。地面に生きる小さき生き物たちは、明日死ぬとわかって今日自ら死を選ぶ?多分、しない。小さき生き物たちにも劣る生き方を選ばないで。まだわからないと思うけど、子供は自分の意思で生まれてくる。親の意思だけではないんだ。生まれる可能性を閉ざすことは、見えない殺人に等しい。聖戦といって自爆するのと何ら変わりない。子供を環境のせいで立派に育てられず殺すことになるから産まないという後ろ向きな選択や、二酸化炭素を増やさないために人口を増やさないという選択ではなく、温暖化しきった社会で、人間がいかに適応して生きていくか考え、未来を生き抜いて「こんな世界でも生きる術を探してくれ、守り育ててくれた」と感謝される大人、そして親になって欲しい。そのための道筋を作ることこそ、私を含めて今を生きる人としての役割ではないかな?遥かな先史時代、寒冷化や温暖化に負けず様々な生き物たちや人間が適応し今に至るように、私たちも適応していけばいい。生き抜く術を確立した暁には、子孫たちにこう呼ばれるでしょう。「あの時代の大人たちの勇気ってすごい」と。

 

 私も、声高にではなく、日々静かに、思い、考え、探し続け、行動しよう。

 

 若者たちも大人たちもと同じ地球人。まずその想いだけあれば。

 

 いま地球はきっとそれを望んでいる。

「ありのままごと」カテゴリーテーマ名の由来

 春になると、地面のそこかしこでせっせせっせと働くアリさんたちを見かけるようになります。小さいの然り、大きいの然り、茶色いの、黒いの、さまざま。

 

 夏になれば、今度は収穫した果物たちにくっついてきたアリさんたちが、家じゅうをウロウロ。ただ悲しいかな、このアリさんたちは古巣にたどり着くことなく、一生を終えていきます。

 

 小さき者たちは、それでも、ありのままに輝き、生ききっていく…。毎年毎年のこと。

 

 でも私を含めた人間という存在も、大きな地球から見ればきっと同じ様に見えているのでしょうね。喜怒哀楽を繰り返しながら、過去から未来へ続く旅路を歩む人間の姿を。

 

 小さな里の片隅で、私もアリさんの様にありのままに、ままごとをしながら生きています。

 

 

  「ありのままごと」とは、私が20年ほど前、起業塾講座に通っていた時に仮想店舗名として作った言葉です(注・決してアナ雪からの発想ではありません…笑)。でもいつか、この名前の小さな店を持ちたいな~と日々、構想(空想?妄想??)を練っています。

 

 

 このカテゴリーテーマでは、主に私が日々思うことについて綴っていきたいと思っています。よろしく。

〈SLE体験談 その14〉

 皆さんこんにちは。久々の体験談です。

 先日、池江選手、一時退院して元気そうな姿を見せてくれました。精神的にもとても良かったと思います。病状は一進一退かもしれませんが、感染症に気を付けながら、ゆっくりと歩いていって欲しいなと思います。

 

 さてさて、SLEの話。

 

 先日、図書館でおや?と思う本に出合いました。

題して「免疫の反逆ー自己免疫疾患はなぜ急増しているかー」(ドナ・ジャクソン・ナカザワ著 石山鈴子訳 ダイヤモンド社 2012年3月刊)。パラパラめくってみると、「ループス」との文字。そう、SLEの「L」のことです。

 早速借りて帰り、じっくり読んでみました。やや専門書的な部分もありますが、ある程度医学的知識を身に着けていましたので、内容的にはかなり理解できたと思います。

 

 内容をざっくり話しますと、ジャーナリストであるこの著者自身もギランバレー症候群という自己免疫疾患の罹患者であり、罹患をきっかけとして自己免疫疾患が急増の一途をたどっていること、その原因が現代の社会構造そのものに起因しているらしいことを掴んでいきます。その要因は大きく分けて二つ。

 

 名付けて、発がん性物質ならぬ「自己免疫誘発物質」。

 

 いわゆる環境ホルモンとして有名になったダイオキシンやPCBなどの化学物質による自己免疫システムへの絶え間ない「攻撃」と「活性化」。

 水銀や鉛などの重金属によるたんぱく質の変化と免疫システムの「撹乱」。

 

 それぞれ個人発病までのの許容量には格差があり、その限界量を超えると発病するらしい…というところは、花粉症やCS(化学物質過敏症)と同じです。また、本書内では水俣病イタイイタイ病の様に、有害廃棄物に高度に汚染された地区でループス(SLE)が集団発生(!!!)し、5年もの抗議活動の末産廃の撤去作業が行われた事例が取り上げられています。しかも厄介なのが、こうした問題が起こっているのが経済的に恵まれないマイノリティ社会であること…。

 

 その二つに加えて実際の発病の「きっかけ」・トリガー(誘因)となるのが、EBウイルスやワクチン接種や過度のストレスというごくありふれた些細な事柄。

 

 こうしてみると、本当に、自己免疫疾患が風邪と同じく「誰もがいつかかってもおかしくない」病気となっていることに、正直、驚きました。SLEの集団発生が実際に起こっているなんて考えもつかない事で、読みながら思わず、うなってしまいました。

 

 締めくくりは、では、どうしたらいいのか?ということですが、まずは化学物質に頼らないライフスタイル・加工食品に頼らない食生活に移行すべきだと著者はのべています。 あまりにもありきたりな答えではありますが、正直、それ以外に選択肢はもう人類にはないのだろうと私も思います。自然界に分散している重金属は分解・回収不可能(現時点の科学では)ですし、いくら完全無農薬・自然栽培・高エネルギー食品だとしても地球上の1ミクロンの砂粒まで全てが汚染されつくされているから、どんなにセレブがこだわっていてもクリーンなものなど手に入らないのです。がんと同じように、誰がかかってもおかしくない。 

 

 まずはその事実を知ること。それしかないんでしょうね。

 

 むろん、この本の内容すべてが真実であると鵜呑みにする必要は無いし、かといってすべてデタラメであるとも言い切れない、一面の真理を含んでいる本だと私は思っています。もしご興味のある方がいましたらご一読くださいませ。

 

 

 私がSLEに一足早く(?)罹ったのは、まるで、オ・チャル(群れの警告者、という意味。上橋菜穂子精霊の守り人」シリーズから引用)なんですかね…?。自然な農業をしたくて農業者になったら、SC(化学物質過敏症)になってしまったという方がいらっしゃいますが、私の場合、私の母が強皮症(膠原病の一種。自己免疫疾患)であり、自然な食事をなるべくとって育ち、自然食や自然農業諸々の知識がもともと通常より持ち合わせていた本人がこうして罹患したというのは、何か意味あることだと思わざるをえません。

 

 といっても、大それたことは出来ないので、せいぜいポチポチとブログでも書いてるしか今は出来ないのですが。

 

 本日はこの辺で。では、また。

ブログ始めました。

主人のつくったHPとブログの引っ越しが終わったの機に、私もブログを始めました。

私の書く文章は長いので、むしろFBより、ブログ向きだったようです。

自分が過去を振り返った時、自分のことがより深く分かるように、色々、書き残したいと思います。

末永くよろしくお願いします。

 

〈SLE体験談 その13〉

〈SLE体験談 その13〉

 皆さんこんにちは~梅雨に入りましたね。カビが気になる半面、曇りの日が多いので紫外線対策がちょっと楽(油断は大敵ですが)。出掛けるチャンスかなとも思います。楽しんで生きましょう。

 さて、今回は現状とこれから!について。


 前々回の外来から通院間隔が2週間から3週間に伸び、ステロイド剤が1ミリ減量の9ミリになりました。先生が何より恐れてるのがステロイド剤の蓄積作用で、それを考えるとなるべく早く減らしたいのですが、急激な変化は反作用を招くので、数値を見ながら先生いわく「最終目標は5ミリ、なおかつ血漿交換は卒業」、でも後は数年かけてゆっくりですね~とのこと。当初は測定不能なくらいの高数値で、腎生検の結果も「Ⅳ」という深刻な状態だった(!!)のから比べると、順調ですね、頑張りましょう、とのコメントでした。

 治療上の数値はあくまで基準値に近づきつつありますが、では日常生活はどうか?ということですが、退院当初に比べれば楽になったとはいえ、多分これは一生の付き合いになるだろうなという症状はいくつかあります。

全身のうずき…じんじんとしびれるような感覚。
動悸というか全身の脈動を強く感じる。
息が上がりやすい、息苦しいような感覚。
しんどくなってくるとキーンというような耳鳴りが強くなる。疲れが取れると収まる。
ぐ~っと眠くなるというかまぶたが重くなる。
頭が働かない。

 そんなときの対処法はひたすら「横になって寝る!」
考え事をしたくても、かたづけたくても、時間がもったいないと思いつつ、しんどい時は同時に頭も働かないことが多いので、何も考えないようにしてとにかく「あきらめて」寝ます。寝れる時はまだいい方で、横になるだけの時も多いのですが、悪あがきで重くなったまぶたを必死に片目開け、スマホで調べ事する時も。逆に夜中目が冴えて眠れなくなることもあり、あせらず無理せず今度は眠くなるまで起きてます。
とにかく自然体をモットーに生きるのがこの病気と付き合うのがコツといえるのかなと私は思います。最近注目されている自律神経を正常に保つメソッドは心身ともに効果のある方法だと思い、学んで取り入れています。

 それにしても、退院当初から比べると体調はだいぶ楽になりました。一時かなりボリュームが減った髪も戻りつつあります(ぼろ隠しと汗取りを兼ねてのバンダナ巻きはまだやっていますが)。この長い髪の中には、細く色が薄い部分が一部あります。病状が酷かった時のなごりです。根元からの間隔が次第に長くなっていくのを見て、時は移ろっていくなあと感じます。私の大事な記念品として、時折り、箱にしまっていたりします(ちょっと趣味悪い??)。

 そして、これからのこと。

 自分の人生の責任を病気や誰かのせいにせず、代わりに出来る事を必死に考え実行する。
前回の「私は私を生きる!」ということは、つまり同時にこのことでもあると思うのですが、「病気になったから○○出来ない」と逃げない。病気持ちの母はよく「病気が良くなったら…」と先延ばしの夢を言っていました。現在はというと、脳梗塞の影響もあり、失語症のリハビリをしながら父による介護生活を送っています。父や母の姿を見て、人生がもったいないなあと思うことしきり。私は同じ轍を踏まずに生きていく!と強く思っている次第です。私の生き方の密かな憧れは、上橋菜穂子さんの「獣の奏者」の主人公、エリン。まさに「生ききる」とはこのことだと感じさせる姿に、フィクションでありながらこうありたいなと思っています。興味のある方はどうぞご一読ください。

 なかなか実現までは難しいですが、いろいろやってみたい夢を一歩ずつ計画を立ててはいます。ネット社会はそれを発表できるのはいいですね、一瞬で世界中に宣言できるのですから。ただし責任を伴いますが。

 ということで、ではここで発表しちゃいます!やりたいことベスト10!小さい希望から大きな無謀まで(笑)。

ヤフーブログの引っ越し(これは必要に迫られて11月までに!)。
ホームページの再構築(これもHPの引っ越ししてから手つかず)。
リンパなどの体の仕組みと古代食の勉強(これは一生のテーマですな)。
切り絵とパステルアートを組み合わせた作品の製作と販売(手に職も必要)。
薬草やハーブ・野草の勉強、そして生活への取入れ方法の模索と提案(東南アジア・韓国をお手本に)。
パンフルートをはじめとする音楽演奏会を開く(やっぱりこの音色が好き)。
小説を一本書きあげる(主人公のプロットがまとまりつつあります)。
自宅ショップのメニュー開発と開業(これはあと20年は先かな)。
地域の土壌・気候に合わせた森林生産品の研究(この里が好きだから)。
地域自立のためのアヒル卵の生産・商品化・流通の実現(日本初の取り組みかも?)。

…発表しちゃったー!!もう後戻りはできないぞ。

 最後の二つは私の為というより息子たちの為かな。実現するのは恐らく数十年後。その時、わたしはいるでしょうか?私はいなくても、この大地が覚えていてくれることでしょう。そう願って。

 というわけで、これにてひとまず〈SLE体験談〉はおしまいにします。今後ともこの病気との付き合いは続きますが、状況については時々、アップしたいと思います。

ではでは、また…!

〈SLE体験談 その12〉

〈SLE体験談 その12〉

 こんにちは~皆さんお元気ですか?
私の場合ですが、♪きょうは元気、いま元気、だけど明日はわからない~♪
…書いてるこの瞬間はほどほど元気だと思ってください。

 

 今回は私の飲んでいる薬と治療についての思いを書いてみたいと思います。

 現在服用中の薬は7種類プラス1種(皮下注射)、それと血漿交換です。

プレドニゾロン錠5ミリ2錠(副腎皮質ホルモン、いわゆるステロイド剤)
セルセプトカプセル250 4錠(臓器移植にも使う免疫抑制剤
プログラフカプセル1ミリ3錠(これも免疫抑制剤、活性化Tリンパ球に作用)
プラケニル200ミリ奇数日1錠偶数日2錠(もとはマラリアの薬)
ランソプラゾールOD錠15ミリ1錠(胃酸の出過ぎを防ぎピロリ菌除菌作用も)
サムチレール内容混濁液15%5ml 2包(エイズの方も服用する肺炎予防薬)
リカルボン錠50ミリ月に1回(ステロイドの副作用である骨粗鬆症の予防薬)

ベンリスタ皮下注200mlオートインジェクター週1回(高額な抗体製剤です)

二重ろ過血漿交換療法(DFPP)3週間に1回(血液中の抗体を取り除く)

以上!

…と言われても「何のこっちゃ?」という感じですよね。
私もそう思います(笑)。

 今回この文章をまとめるにあたって、免疫のことから体の仕組みから薬のことから色々調べまくりました。高校講座生物基礎とかウィキペディアとか。ハッキリ言って頭パンクしました(泣)。ので、詳しくはここで書きません。書く気になればある程度はまとめられるけど、皆さんの頭もパンクしますから。きっと。

 でも大事なのは、ざっくりでもいいから、それらを知ろうという努力をすることだと思います。担当医の先生は幸いとても良い先生ですが、信用しないという意味ではなく、先生任せにすることなく、患者本人も病気そのものを冷静に見つめ、向き合うということ。パソコンやスマホで簡単に情報が得られる現在という時に罹患したのは、とても幸運だったと思います。20年ほど前、膠原病についての資料は図書館や書店で得られる数冊の本しかありませんでした。…実は私の実母も膠原病の一種、シェーグレン症候群と強皮症の罹患者です。

 膠原病をはじめとする自己免疫疾患は難病に指定されている通り、メカニズムが難解な病気です。リンパ球のT細胞が、B細胞が…と相互に影響し合い、インフルの様に「ウイルス殺せばハイ終わり」という具合にはいきません。それでもステロイド剤のおかげで生存率は上がり、現段階で解明されたメカニズムを応用した抗体製剤と呼ばれる治療薬も徐々に増えてきています。それらはあくまで対処療法の域をまだ出せんが、いつか人間の体の仕組みがもっと解明され、ドミノスイッチの居場所をつき止められる日が来ることを信じています。病気と言うものの存在も、ひょっとしたら、人間が人間と言うものをより深く知るための起爆剤、課題として、あるのかもしれません。全ての人が健康だったら、探求欲も湧かなかったかも…私も含めて。人類そのものの発展に寄与できる体になったのだと考えれば、病気になったことに逆に感謝の念さえ湧いてくるのです。

 難病ということで、自然療法が良いという話も聞きます。実際、実母が病気持ちだった関係上、自然療法の知識も人よりは知っているつもりです。が、実際に自分が難病になってみると、結局は自分の身体に合わせておいしいと感じる物を口にするのが一番かなと思いました。いくら体に良いとされるものでも、どうしても口に合わない物をいやいや食べるより、どんなに変な取り合わせでも、食べたいな!という欲求に素直に従う方が精神的にも落ち着き、良い日々を送ることが出来るからです。自律神経学的にも理にかないます。
また、こんなこともあります。
入院中、ちょうど放送していたNHKの人体シリーズ、「免疫」の回だったでしょうか、「骨髄で生まれた免疫細胞が教育される場所(パイエル板)が腸には存在する」ということをやっていて、ハタと思い至ったことがありました。自然療法の考え方の一つに「千島学説」と言うものがあります。これは全ての血液細胞が骨髄ではなく小腸で作られるという考えで、近代医学と真っ向から対決するものでした。調べてみると学説が発表されたのが1932年から1959年、パイエル板の役割が解明され始めたのが1970年代以降。現在ではさらに詳しく解明されているはずです。近代療法がいいか、自然療法がいいか喧嘩している間にも、実際の体の中では、骨髄で生まれた細胞たちが腸で教育されせっせとと働いていたわけで、結果的には骨髄も腸もどちらも必要で正しかった…という結論のようです。何ともお粗末な。なので、私はあくまで近代医学も自然療法も、否定も肯定もしません。
近代医学が進歩し、かつ自然療法がうまく利用される日が来ることを願ってやみません。

 長くなりましたが、最後に先日発表されたニュースを一つ。朝日新聞デジタル版に「市販液体のり白血病治療の救世主に?専門家驚嘆」との記事。これまで培養が難しかった造血幹細胞(赤血球や白血球の親)が、何とコンビニでも売ってるアラビックヤマトなどの主成分であるポリビニルアルコール(PVA)で大量培養できることを発見したそうで、骨髄に住んでる細胞さん、実はこんなものがお好きなの!?かと…いやはやほんとわけわからんです。人間の体と言うものは。

それではまた。次回はいよいよ最終回!(…たぶん。)